響は手にしていた洗いたての靴下をじとっと見つめた後、これから畳まれるであろう洗濯物の山にボスっと投げ返した。
-----ったく。
酷いめにあったと思う。
腰はだるいし股関節が痛い。喉も痛いし何より、昨日の休みで取るはずだった週末の仕事の疲れが取れないばかりか、倍になった気がする。
それなのに、その張本人、文句を言ってやりたい当の本人は、VIPからの電話で慌てて出て行って。
あぁ~ムカつく。もうムカつく。すっごくムカつく。こっちだって仕事だし。ちょっと酔っ払った客に抱き着かれて、おふざけでキスされちゃっただけなのに。
-----大体にして自分だってどうなのさ!!
響はしばらく考えて、洗濯物の山から自分のものだけ取り出して畳む事にした。
絶対畳んでやらない。
-----ふんっ!!!だ。
しばらくボイコットしてやるんだっ。