休日の午後、リビングでしゃべっていたのだが、おもむろに高崎が立ち上がった。
「どうした?」
「DVD見ようと思いまして」
「ここで見ればいいじゃないか」
「続き物なんですよ」
だから、部屋のパソコンででも見ようと思っていたのだが。
「どんなやつ?」
「グレイズ・アナトミーっていうのなんですけど。医者モノです」
「面白いか?」
「そうですねぇ・・・医者モノなんですけど、インターンンの成長物語って感じですね。恋愛したり喧嘩したり悩んだり・・・、ただちょっと恋愛の部分が多すぎるかなって気がして。そこまでハマってないんですけど、続き物なんで、なんとなく気になって。とりあえず今出てる分だけでも見てしまおうかなぁと」
「なるほど」
小城は笑った。
「では」
と言って立ち上がろうとした高崎の手を小城が掴んだ。
「いいから、こっちで見ろよ」
「でも・・・わかりました」
つまならないのでは?と言い掛けて高崎は言葉を止めた。
確かに、せっかくの休日の午後。一緒にいられるものを別々に過ごす事も無い。
「紅茶にするか」
「はい。あ、戸棚に頂き物のお菓子があります」
「了解」