テレビをぼーっと見ていた高崎がぽつりと言葉を零した。
「ああ・・・これか」
「これって?----ああ、さきいか散らばってるぞ」
「え、ああスイマセン」
言われて見れば、さきいかの細かな破片が机の上に散らばっていた。
それを手で軽く集めていると、
「で?何がこれだって?」
と小城がさっさと片付けて問いかけた。
「さっきのCMです。TUBAKIってシャンプーのCM」
熱いお茶が湯飲みに入れなおされる。
「ああ、白いのが出たってやつか」
「よく知ってますね」
「こないだ経済誌に出てた。高級感シャンプー戦線って事で」
「へぇ~」
「で、そのTUBAKIがどうしたんだ?」
「昨日お客さんが話してたのがチラっと耳に入って」
「・・・気になるのか?」
「何が?」
「その客」
「まさか」
なんの心配だと高崎は思わず笑ってしまった。
未だにそんな心配を本気でするのか、と。
でも。
「ふん」
小城の拗ねた声が甘くて。
恋人がいつまでも自分を好きでいてくれていることが嬉しくて。
高崎は熱い視線を小城にじっと向けた。
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白TUBAKI買ってみました。まだ使ってませんが。
買って帰ったら、母に”CMに踊らされてる(笑)”と言われて…ウッキー(怒)
絶対貸してやんないっ!!!
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