「・・・響?」
「あ、小城さん」
ばったり出くわした場所は靴屋。
「何見てるんだ?---スニーカーか」
「はい」
手にしているのは白地に赤と青のラインの入ったスニーカー。どこか、体育館シューズの様な雰囲気がある。
「いいなぁ~と」
「履いてみればいいじゃないか」
「まぁ、そうなんですけど。----小城さんは何してるんですか?」
「ああ、この先に気になっていたレストランがあって、ランチを食べてきたんだ」
「一人で?」
「まさか」
そう言って笑った顔で、一緒の相手が誰かわかった。高崎だ。
なるほど、高崎と2人でランチをしてきた帰りらしい。向こうはもう仕事に向かったのだろう。もうすぐ3時になるから。
「そっちは?」
「咲斗さんはいつも通りでかけました。俺は洗濯しようかなって思ってたけど天気がいまひとつなんで止めて、ちょっと靴の下見に」
「で、それに出会ったのか」
「はい。でも俺が捜してるのはスニーカーじゃないですけよ。こう、革系の・・・」
「なるほど」
チラっと見た値段は16800円。響の金銭感覚から言うと悩むだろうなぁ。
小城が口の端を持ち上げたとき、店員が”サイズみましょうか?”の声。
10分後、”カードで”と言っている響がいた。
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ブーツを捜しに出かけたのに、スニーカーを買ってしまった私^^;
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