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日々の事、見た映画、読んだ本、漫画の感想も。
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見知った子、小野田ゆかりがいた。
 由岐人には内緒だか、1度告られて断った相手。
「おっす」
 剛はミルクティーを高遠の前に置いて、自分も高遠の横に座る。
 ゆかりの今日の服装は、ニットのロングカーディガンにTシャツ?を2枚重ねに大きなネックレス。ショートパンツのロングブーツだった。
「1限お疲れ様」
「おう。----- 一人?珍しいな」
「ユカは寝坊したんだって。さっきメールあった」
 小野田がいつもつるんでる相手、重野由香。名前が似てるってところがキッカケだったらしい。剛にはさして興味は無かったが、なんかの時に聞かされたので覚えている。
 剛は暇を持て余して、鞄の中から本を取り出した。
「ねぇねぇ」
 そんな剛にゆかりは手を伸ばして本を引っ張る。
「なんだよ」
「今度の飲み会、来ないって本当?」
「飲み会?」
 そんな話あったっけ?と首を傾げてみると、
「金曜に、って俺言ったぜ?」
 どうやらノートを写しながらも話を聞いていたらしい高遠が顔も上げずに口を挟んだ。
「ああ。なんか聞いたな。俺その日バイトなんだよ」
 金曜は由岐人の帰りも遅いからかならずバイトを入れるようにしてあるのだ。その所為か、ここのところ飲み会にはほとんど顔を出していない。
「バイト変わってもらえ無いの?」
 ゆかりは膨れたような顔をした。自然と甘えるような仕草が出来るのがゆかりの凄いところで、これで他の男には結構人気があるらしい。
 不器用な由岐人とは大違いだな、と剛は内心思っている。
「無理だな」
「えぇー。じゃあバイト終わってからは?どうせオール予定だしさ!」
「しんどいって」
「お前ちょっと枯れてるぜ」
 また高遠が口を挟む。確かに20歳にして、さして夜遊びもしないし女の子と騒ぐわけでもない。告白されても断ってるし、はたから見たら勉強とバイトにいそしんでるだけにしか見えないのだろう。
「そうそう」
「んー別に枯れてねぇし」
「だって、竹内先輩も断ったんでしょう?」
「マジ!?」
 これには高遠も顔を上げた。
 竹内というのは1コ上にいる結構美人の先輩。高遠の友達が同じゼミらしくその繋がりで飲み会にやって来たのが知り合ったきっかけだったけれど、剛としてはその後は飲み会で時々見かけたり、学内でたまたま会った時に声をかけられたくらいだった。
 確かに、美人な方だと思うし悪い気はしなかったけれど。
「うー、まぁ」
 剛はズズっとカフェオレをすすった。
「なんで断ったんだよ!?」
 ゆかりも同意見なのか、興味津々の瞳で見つめてくる。
「高遠、もう終わったのか?」
「ちょっと誤魔化さないでよ」
「別にいいだろ」
 少し鬱陶しくて強く言ってしまった。その所為か、気まずい空気が流れたけれど、剛はもういいかと本を開いた。
 恋人がいることは誰にも言ってい無いのだ。言ったら言ったであれこれ詮索されるのに間違いない。本当に面倒くさいことこの上ないのだ。
 高遠もこれ以上突っ込まないほうがいいと思ったのか再びノートに視線を落とし、ゆかりも唇を尖らせながらも黙り、メールを打ち出した。
 
 
 
 
 
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・・・・・
 
 
 
 
 
 
 電車に揺られて乗り換えて、剛は1限目開始ギリギリに滑り込んだ。
 室内を見ても、眠そうなけだるそうな空気が漂っている。その室内を見渡していると、前で友人--高遠--が軽く手を上げた。剛はそれに目で合図を送って、欠伸ひとつした後前を向き直った。
 
 
 「剛」
 講義が終わった途端高遠がやってきた。
 高遠は大学に入ってから知り合ったヤツで、剛の1コ上だと言っていた。柔和な見た目と、短く切った髪がいい具合にアンバランスで、誰だったか女の子が”成宮っぽい!”と言っていた。
「よ。次、キタ館だろう?」
 移動しようぜ、と立ち上がった剛に高遠は大きな口をニっと上げて、
「次休講だぜ。掲示板見てこなかったのかよ」
「マジ?ん~だよ、そうなのかよ。俺今朝は滑り込んだからなぁ」
「下のカフェでお茶しようぜ。で、神谷サンのノート見せて」
 神谷とは、本日3限目に講義のある先生の名前。
「はぁ?----じゃあカフェオレ奢りな」
 そういえば、前の時高遠は休んでいたかもしれない。
「~~~わかった、手を打とう」
 背に腹は変えられない高遠はそう言うと、剛をせかすように歩き出した。
 ふと外に目をやれば、11月に入って寒くなってきた所為か、外で座っておしゃべりをしたりお茶を飲んだりしている生徒の姿は見なくなっている。
 長かった残暑も、短かった秋も終わりという事か。
 カフェもぼちぼちの混み具合だ。その中で高遠は器用に窓際の席を見つけ、いち早く座った。
「あ、俺はホットミルクティーで」
 と、高遠は財布を差し出した。どうやら剛に買いに行け、ということらしい。
「お前な…」
 呆れる剛からノートを奪って、さっさと開け出す。剛は、しょうがないと嫌味ったらしくため息を吐いてから、歩き出した。一瞬、アイスミルクティーにしてやろうかとも思ったが、高遠のことだ。交換しろと言い出しかねないなと、剛は言われた通りに買い物をして、席に戻る。
 ----と。
「おはよう!」
 
 
 
-----お・・・いい匂い!!
 ジュっとフライパンの音がして、たちまち良い香りが立ち込めてきた。
 剛はデニムパンツにTシャツに手早く着替えた。腕に革製のアクセを巻いて、時計をつける。そして、冷蔵庫からまだ冷やしている冷たいお茶をグラスに注いで椅子に座った。
「うわ、まじ美味そう!!」
 覗きこむと、大き目の少し深さのある皿にご飯が盛られていて、その上に豆腐や卵、レタスに蟹身が入ったスープがかけられていく。
 最後に葱を散らして、
「はい、お待たせ」
 由岐人は剛に出来た手のスープご飯を渡した。
「さんきゅー。いただきます!!」
 パンっと手を合わして剛はスプーンでご飯をすくう。
 中華風に味付けされたそれはスープも手伝ってか、胃に入りやすい。
「まじ美味い」
「・・・良かった」
 ぼやんとした反応ながらも返って来た声に、どうやら少し起きてきたらしいと剛はわかった。
「レタスのシャキシャキ感がまたいいな」
「・・・うん」
 由岐人もお茶を持って剛の隣に座る。
「昨日、むぐ----遅かったのか?」
 自慢じゃないが、剛は由岐人が帰って来たのを知らないのだ、熟睡中で。
「んんー・・・、いつも通り」
「結構飲んだ?」
 言いながら皿を持ち上げた。
「ちょっとだけ」
「そっか」
「ん」
 由岐人を見ればまだ目がとろんとしている。
 こういう時は、通常の状態と違ってほんわりしていて本当にかわいいと思う。
 剛は大きな口でまたたくまに朝食を食べ終えた。
「美味かった!ご馳走様」
「どーいたしまして」
「悪いな」
 剛は言うと、流しに皿を置いた。洗い物をすませていく時間が無い。
「いいよ。どーせ後で、僕も、作るし」
 -----ああ、ちょっと限界かな?
 由岐人の頭が少し揺れている。いつもよりだいぶ眠そうだけど、本当に昨日いつも通りだったのだろうか。
 剛はだいぶ疑問に思いながらも問い詰める事はなく、先日買ったばかりのスタンドZIPUPを羽織って鞄を肩にかけた。
 剛が玄関に向うと由岐人も見送りのためについてくる。たぶんこのまま寝室に戻るのだろう。
「じゃあ行って来る」
「いってらっしゃい」
 -----ま、大丈夫かな。今日はだいぶ眠そうだし。
 剛はそう思うと、不意に顔を近づけてチュっと由岐人の唇にキスをした。
 由岐人は一瞬出来事を理解して無いのか、顔がほわんとしたままである。通常ならこうはいかないが。
「じゃあ」
 剛は朝から味わった由岐人の唇に顔をにんまり緩ませて飛び出した。
 一瞬シラフに戻って鉄拳が飛んでくる前に。
 取り残された由岐人が顔を赤白にさせて、剛の出て行ったドアをバンっと蹴ってからベッドにダイブした事はしらない。
 
 
その日の剛は、朝からかなり慌しい日だった。とりあえず講義が朝1から入っているのだ。こういう日、剛は由岐人を起こさないようにそっと起きるのに気を使う。
 なぜならこの可愛い恋人(剛談)は、気配にとっても敏感で剛がベッドから抜け出したら直ぐに気づいてしまうのだ。
 ベッドがギシっと鳴らぬよう、布団が動いてしまわないようにそっとそっと抜け出す。
 床に足をつけて振り返ると、おもむろに振り返る。
 -----よしよし。
 剛は由岐人の瞼が開いてない事を確認して、抜き足差し足でそっと寝室から抜け出した。
 そしてすり足駆け足で洗面所に入って、顔をザバザバ洗う。暦は秋とはいえ、まだ水で十分な剛は水で目を醒まし、そのまま髪をセットして歯を磨いて洗面所を飛び出す。
「あ・・・、なんだよ。またお起こしちゃったのか」
 すり足駆け足でリビングダイニングへ向えば、由岐人が起きてなにやら作っている。
 そこで今回も由岐人を起こさずに出かける、という事が失敗してしまったことを知る剛なのだが、大体にして目覚まし代わりにセットしている携帯の振動で起きてしまっている、という事には気づいていないらしい。
「何作ってんの?」
 デニムパンツに履き替えながら問いかけてみても、由岐人から返事が無い。どうやらまだ思考は起きていないらしい。
 が、これで”もういいから寝て来いよ”なんて言おうものならえらい事になるのは学習済み。
 ”人が折角起きて作ってるのに何!?”と睨まれ怒られ、不貞腐れられる。だから剛は由岐人のしたいようにさせることにしていた。
 

 
しばらく放置してしまいまして申し訳ありませんでした。
 
仕事やらプライベートやら色々思うところがあったり
ストレスが溜まったりで、なんだかちょっと……
 
まぁ、色々あったのです。
 
いや、無かったのか。
 
なにはともあれそんな感じでして、放置となり申し訳ないです。
 
また12月より気分新たにがんばりますのでよろしくお願いいたします。
 
 

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